板 1- 前 次 新 レス
サモンナイトN
[37]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/08/29(土) 21:37:53 ID:X3x6tTHs
ハヤト、ナツミ、トウヤ、アヤ。4人が揃った公園は静けさを取り戻していた。
佐門(……何時もこうなんだよな)
そう、何時もこうだ。この4人は揃うと、不思議な事に無口になる。
会話をふるのが苦手なアヤや静寂を好むトウヤはともかく、
いつもなら自分から話題をふってくる2人までピタリと口を閉じる。
恐らく、それぞれが理解しているのだ。口を開けば喧嘩になると。
そして、それぞれがそれぞれを思いやった結果、皆、口を閉ざす。
だからこそ、この静けさにはギスギスした物はなく、どこか澄んでいる様な気すらする。
彼らは理解している、それぞれがが心の中に抱えている不安を相手も感じているのだと。
だが、同時に思ってしまう。「なら、なぜ助けてくれないのか」と。
それが自分自身という存在を理解し、独りで出さなければならない答えだと理解していても……
佐門(八つ当たりみたいなもんだよな……でも、しょうがねぇよな。こればっかりは……)
そして、その不安を佐門もまた抱えていた。それを知っているからこそ、4人は
自分たちの輪の中に彼を迎え入れたのだろう。
4人が、佐門が、顔を上げ、何時しか顔を出していた夕日を見つめた。
そして、問いかける。誰にも届かない、その言葉を。
前 次 写