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サモンナイトN2
[40]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/09/26(土) 21:53:13 ID:???
―――ざぁー……
佐門「初日は気持ち悪くて寝るどころじゃなかったが……海ってのは良い場所だな」
寄せては返す波の音は草むらを風が揺らす音に似ていた。
静まり返った寝所で目を瞑った時、庭から聞こえてきたあの音に。
夢と希望と家族と……毎日が輝きに満ちていたあの頃の自分がそこにいる気がした。
そして、すすけた灰にまみれた今の自分をじっと見つめている。ただ、悲しそうなに―――
カイル「……似てるだろ?」
佐門「あっ、えぇ……何にだ?」
カイル「陸にさ。音も、風も……陸にあるもんは全て海にある。ねぇもんは酒ぐらいなもんよ
なら、陸に居るのとかわらねぇんじゃねぇかと他人は言うが……ちげぇ、ちげぇんだよな」
カイルは開け放たれた丸窓の外を海をまるで恋人を見る様な優しい目をして見つめる。
そんなカイルに応える様に吹き込んでくる潮風。カイルはそれを静かに撫でた。
カイル「陸で酒を飲んでても気がつけば海の事を考えちまう。
どんな最上級の女も酒もこいつには勝てねぇ……海ってのは魔性の女だ」
佐門「そうだな……ふと気がつくと恋焦がれる。冷め切らぬ永遠の初恋って奴か……」
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