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サモンナイトN2
[709]名無しさんと創る物語:2015/10/24(土) 18:08:05 ID:ag/SkcR6 B
[710]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 19:32:59 ID:teim3pQc >B:船内をぶらつく ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 佐門「一応、仕事をしているという体裁だけは 取っておくのが俺の帝国軍人道だぜ……」 要するにただのサボリである。 佐門「さて、適当にグルっとしたら部屋に戻って昼寝でも……」 アズリア「昼寝でも…………なんだ?」 佐門「…………はっ、隊長殿! 此処は異常なしであります!」ビシッイ! アズリア「今更取り繕っても無駄だ、馬鹿ものぉおおーーー!」ベチィイイイン! 佐門「あいたぁ!! てか、これ腹黒のポジションだろ!」 ゴウという効果音つきでもおかしくないデコピンを受けた佐門の額は やや赤みをおびている。泣きっ面に蜂ならぬ、蜂で泣きっ面。 だが、蜂(アズリア)刺されたのは完全に佐門の自業自得であった。
[711]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 19:41:53 ID:teim3pQc アズリア「全く、佐門。お前という奴は変らんな。もう少し真面目になっていると思ったぞ。 元・学究都市ベルゼンのエリート軍人だというのに、あっちでは何をしていたのだ……」 佐門「パトロール以外は先輩とポーカーしてるだけだったかな……」 アズリア「なんだと!」壁ドン 佐門「ひぃ、すんません!」 立ち居地は逆なのに妙にこの構図が馴染む男らしさ。 下手な男よりカッコイイのがアズリアであった。 当然の様に男性人気よりやっぱり女性人気の方が高いらしい(ギャレオ談) アズリア「まぁ、良い……ほら、行くぞ。 この辺の客室はすでに一度回っているから、甲板の方に行くぞ……来い」 佐門「……はい」 そういう事になった
[712]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 19:53:59 ID:teim3pQc 〜甲板〜 ザザー……ザザー…… アズリア「…………」カツカツ 佐門「……」カツカツ 謎の沈黙。もしかしてまだ怒っているのだろうか、と アズリアの顔を覗き込むが、そこにはビシッとしたりりしい顔があるだけで 表面上は平常どおりという風に見える。 佐門(あー、確か元からそう口数は多いほうではなかったか……) と、数年前の記憶を掘り起こす2x歳の佐門。 よかったよかったと安心もつかぬま……この静寂は妙に不安を掻き立てる。 佐門(ば、ばつが悪い! 何か話題は……話題は!) A:卒業してから何をしてたんだ? (無難なジャブ) B:そういやアズリアの家族って…… C:あっちを思い出すなー! と 元の世界を引き合いに出した D:ところでさっき、アティが……(完全なる地雷) 先着1名様、ageでお願いします
[713]名無しさんと創る物語:2015/10/24(土) 20:21:24 ID:ag/SkcR6 B
[714]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 20:42:17 ID:teim3pQc >B:そういやアズリアの家族って…… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 佐門「あー……そういやアズリアの家族って……」 ザッ アズリア「…………」 佐門(アーーーッ!! こっちの方が地雷だったくせぇーーー!!) 佐門は人の地雷の半分は家族関係であると、今日、この日学んだ
[715]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 20:50:09 ID:teim3pQc アズリア「……佐門」 佐門「お、おう!」 アズリア「お前にとっての家族とは……家とはなんだ?」 佐門「……あー」 自分の地雷もばっちり家族関係であったが、 先に口を開いてしまった以上、黙ってるわけにもいかないか、と佐門は思った。 佐門「まぁ、あんま良い場所じゃなかったかなぁ」 アズリア「なに、そうなのか?」 佐門「意外そうに言うなよ……まぁ、こんなふざけた性格だもんな…… いやぁ、厳しい場所だったな。分家の方に流されたからはそうでもなかったけど」 やれやれと、肩をすくめて空を見た。 佐門「あの頃の思い出の灰色さと比べると、 この雲ひとつない蒼穹のなんたる美しき事か……」 アズリア「……すまんな」 佐門「別にかまわねぇよ」
[716]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 21:15:36 ID:teim3pQc 佐門「俺の実家は旧華族の出なんだよ」 アズリア「家族?」 佐門「あぁ、偶に忘れるけど世界観が違うんだよなぁ…… まぁ、貴族の出って事だ。頭に『元』が引っ付くわけだが」 アズリア「そうか、貴族か。それで『分家』という言葉が出てきた訳か しかし、なぜ本家から分家に流されて……あっ! すまん」 佐門「家長……兄貴の命令だよ。俺は出来が悪くてな。 いや、兄貴が特別出来が良すぎただけだと思うけどよ……天才って奴だぜ、ありゃ」 アズリア「……そうか」 佐門「おう」 そうして再び訪れる静寂。 あんな暗い話をすれば当然の事である。 佐門(俺ってコミュ力低すぎぃ!?) 佐門の額に玉の様な汗が浮かぶ。 ほかに何かないか、少ない脳細胞を必死に働かせて考える。 そして、「いやぁ、晴れだな!」などというありふれた言葉を口から出そうとした時であった
[717]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 21:20:44 ID:teim3pQc アズリア「私の家族……というか家系は、代々、帝国に仕える軍人であった」 佐門「……あ、そういや演習の時も特別待遇だったなお前。 そうか、そうなるとアズリアが次の家長っていうか、当主か」 アズリア「あぁ、口惜しい事にな……そして、私の立場は本来、 我が弟である、イスラが継ぐべきものであったのだ……しかし、弟には荷が勝ちすぎていた」 そういってアズリアは静かに水平線を見つめた。 いや、もっと別のものを見つめているのだろうという事は佐門にも分かった。 アズリア「……【召喚呪詛】 知っているか?」 佐門「いや……名前的に召喚術ってのは分かる」 アズリア「サプレスに位置する召喚術だ。本来は数刻の間、行動を鈍らせる程度だが、 イスラにかけられた物は桁が違う。何せ弟は毎日死に……そして生き返る」 佐門「っ!? おいおい、冗談だろ!?」 アズリア「事実だ。弟は生に喜びを見出せず、しかし、死という名の平穏も与えられない。 見かねた父が剣を振り上げる所を見た事があるが……剣もはじかれてしまった」 佐門「……最悪だな」 アズリア「……だというのにあの子は何時も笑顔を浮かべる。「大丈夫だよ、姉さん」と…… だから私は軍人になった。あの子を守れる様に……いや、何時か救える様にという理由だったのかもしれん……」
[718]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 21:28:14 ID:teim3pQc 佐門「なぁ、その救うってのは……」 ―――殺すって事か? 佐門「……いや、すまん。なんでもねぇ」 アズリア「……そうか」 口には出せなかった。 そんなの分かりきっているから。 これほど家族を大事に思う少女が、 苦しんでいる家族を前にしたアズリアたちがどう思うかなんて……想像するに容易い。 治せないなら。 助けられないなら。 ―――せめて、楽に
[719]サモさん ◆zHt6XgZ6n2 :2015/10/24(土) 21:30:46 ID:teim3pQc 佐門(召喚術って……なんなんだ? 俺に出会いをくれたこの魔法は…… どれだけの不幸を影で生み出し続けてる? ……クソ! どうすりゃ良い!) でも、思うだけだ。 悩んだフリをしているだけだ。 ”そうだ……どうせお前は何もしない” ―――ドクン――― 佐門「痛っ!」グラッ アズリア「佐門!」スッ 膝から崩れ落ちた佐門を抱えるアズリア。 佐門の顔は青く、脈拍は速く、呼吸は荒い。 アズリア「大丈夫か、今、医務室に!」 佐門「だ、大丈夫だ。それより、どうやらこの船。わりとヤバイものを運んでい……」 ヒュウウウウウウウウウウウウウウ!! ドカーン! 佐門「うおお!?」グラグラ
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0ch BBS 2007-01-24